いびきの治療と原因

もっと早く睡眠時無呼吸症候群を治療しておけば、心筋梗塞・脳梗塞にはならなかった、あるいはなるのをもっと遅らせたでしょう。

いびきの検査と治療法
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医療機関では、まずいびきの種類や程度を調べ、治療法を決定します。

最も一般的なのはCPAPと呼ばれる鼻マスク治療で、非常に高い効果を上げています。

ほかには耳鼻科的な処置(手術)や歯科でのマウスピース治療などがあり、多くのもので健康保険がききます。

いびきの検査と治療法

診察

診察

問診で聞くこと

初回の診察では、患者さんの訴えや症状を聞きます。

患者さんの家族からも、普段の様子や他の病気がないかなどを聞きます。

セルフチェックとかぶる点もありますが、主に次のような点です。

*どんないびきを、いつ頃からかいているか:

いびきだけでなく、息が止まること(無呼吸)があるかどうかも尋ねます。

ただ、患者さんは自分のいびきを聞いたことがないので、どんないびきをかいているのか、息が止まることがあるのかなどは、本人には分からないという点があるため、寝室を共にしている家族などがいれば、初診時は同伴してもらう方がいいでしょう。

1人で受診される場合は、家族からいびき・無呼吸に関してどのように言われているかを、恥ずかしからず正直に伝えていただければ大丈夫です。

いびきが強い、またはうるさいのがなぜ問題かというと、いびきの騒音と呼吸努力に関係があるからです。

睡眠中に呼吸努力をすると脳が覚醒してしまい、睡眠が浅くなってしまいます。 (さらに…)

ほかに聞くことやアンケート

ほかに聞くことやアンケート

*アルコール摂取について:

お酒を飲む習慣があるかどうかも参考として聞きます。

飲酒はいびきの一因ですし、アルコールの過剰摂取は肥満を招き、睡眠時無呼吸症候群や合併症の悪化要因となり得るからです。

アルコールの影響はその血中濃度と関係してきますので、寝る前にアルコールをとると、数時間影響が強く残ってしまいます。

無呼吸がひどくなると血中の酸素飽和度が低下してきますが、いびきが強い人、睡眠時無呼吸症候群の人は、寝入りばなの影響が大きくなります。

本来、人間は眠りについてから数時間で深い睡眠になるので、お酒をたくさん飲むと深い睡眠を得られず、睡眠が逆に浅くなってしまうのです。 (さらに…)

視診(医師によるチェック)

視診(医師によるチェック)

患者さんから話を聞く以外に、いくつかのチェックポイントがあります。

医師が患者さんを診ながら診察するので視診といいます。

*体型:

身長、体重、首回り、胸囲、腹囲などを初診時に測定します。

BMIも算定して肥満度も確認しておきます。

いびきの診察では、患者さんが太っているか、その太り方が内臓脂肪型か首回りも太いかなどのチェックはとても重要です。

肥満の有無や程度によって、選択すべき治療法も違ってくるからです。 (さらに…)

いびきは何科を受診すればいい?

いびきは何科を受診すればいい?

いびきは原因や治療法が複数の診療科にまたがることも多いので、「いびき外来」や「睡眠呼吸センター」のような専門外来が近くにない場合は耳鼻咽喉科、または呼吸器内科を受診しましょう。

肥満傾向だという人は呼吸器内科がおすすめです。 (さらに…)

検査

検査

診察後、睡眠時無呼吸症候群の疑いのある人には睡眠検査を受けていただくことになります。

スクリーニング(ふるい分け)のための簡易検査を行い、必要ならば確定診断のための精密検査を行うのが一般的です(簡易検査を省いて最初から精密検査を行う場合もある)。

簡易検査

携帯型なので自宅で測定でき、入院の必要がない点がメリットです。

精密検査のポリソムノグラフィーから脳波検査を除いたものと理解してください。

また、治療経過において改善効果を確認するためにも用いられます。 (さらに…)

精密検査 ポリソムノグラフィー(PSG)

精密検査 ポリソムノグラフィー(PSG)

スクリーニング検査で疑わしいと判断される、もしくは明らかに治療が必要と医師が判断した場合は簡易検査を省いて精密検査を行うことがあります。

ポリソムノグラフィー(終夜睡眠ポリグラフ検査)は、睡眠中の状態を総合的に持続的な記録ができる優れもので、睡眠時無呼吸症候群の確定診断には欠かせません。

この検査があればこそ、睡眠時無呼吸症候群の研究もここまで進んできたといえます。 (さらに…)

その他の検査

その他の検査

*セファロメトリー(頭部X線規格写真撮影):

視診だけでは正確には分からない、下あごの形や後退度などを確認します。 (さらに…)

色々な睡眠呼吸障害

色々な睡眠呼吸障害

検査でいびきの様子や無呼吸・低呼吸の回数、睡眠の状態が分かると、問診やアンケート結果などとも総合して、1人1人に合った治療法を考えます(治療は必要ないと判断するケースもあります)。

睡眠中の呼吸に問題があることを「睡眠呼吸障害」(SDB)といいます。

いびき、無呼吸、低呼吸、チェーンストークス呼吸など、睡眠中の呼吸の乱れを広範囲に捉えた言葉です。 (さらに…)

治療が必要でない場合

治療が必要でない場合

検査や診断の結果、「積極的に治療を行う必要はない」となるのが「いびき症」です。

睡眠中にいびきはかいているが無呼吸はひどくなく、日中の眠気などもほとんどないケースです。

この場合はもう少し様子を見ても構わないことが多いですが、例外もあります。

1つは高血圧症などの合併症がある場合。

高血圧症の多くは原因のはっきり分かっていない本態性高血圧症ですが、睡眠中の無呼吸が本態性高血圧症の一因らしいと分かってきました。 (さらに…)

治療が必要な場合

治療が必要な場合

睡眠時無呼吸症候群と診断される時:

1時間あたり5回以上の無呼吸・低呼吸があれば睡眠時無呼吸症候群と診断されます。

自覚症状も必要です。

最近は、AHI15以上では日中の傾眠が確認されなくても、将来高血圧症や心臓病などにかかる危険が高くなるという研究から、自覚症状の有無にかかわらず、睡眠時無呼吸症候群と診断すべきという考えもあります。

*閉塞型と中枢型

睡眠時無呼吸症候群には閉塞型と中枢型がありますが、鑑別はポリソムノグラフィー検査ではっきりします。まず口および鼻での気流が停止していれば無呼吸があることが分かりますが、さらに胸部や腹部の動きも止まっていれば、その無呼吸が中枢型のものと分かります。

一方、閉塞型は胸部・腹部は呼吸運動をしていますが、動きが逆になり、有効な換気運動になっていません。

中枢型と閉塞型では原因や経過が異なるので、どんなタイプの睡眠時無呼吸症候群なのかを見極める必要があります。 (さらに…)

数値だけでは判断できない場合

数値だけでは判断できない場合

どのような病気でもその治療目的は(1)生命予後の改善、(2)QOLの改善です。

少々乱暴に言い換えると「早死にしないようにすること」「今困っている症状を治すこと」になります。

ところが、実際には悩ましいケースがあります。 (さらに…)

治療

治療

睡眠時無呼吸症候群の治療方法には、減量療法、内科的な鼻マスク量治療(CPAP治療)、耳鼻科的な処置、歯科口腔外科での口腔内装具(マウスピース)の作成などがあります。

軽症の人は、食事療法・運動療法による減量や飲酒を控えるなどで症状が軽くなったり、いびきをしなくなったりすることもあります。

中等症~重症の人は、CPAP治療が第1選択として挙げられ、原因によっては耳鼻科的処置(鼻閉の治療・上気道狭窄の解除)、マウスピースによる治療になることがあります。 (さらに…)

CPAP療法

CPAP療法

高い治療効果

減量療法は誰でもすぐにできる方法ですが、決して簡単ではありません。

体重を減らせる人は限られ、効果が出てくるまで時間もかかります。

そこで、減量と並行して勧められるのが、睡眠時無呼吸症候群に最も有効といわれているCPAP療法です。

CPAP(シーパップ:Continuous Positive Airway Pressure)は正式には「持続性陽圧換気療法」といい、眠る時に鼻マスクをつけ、そこに圧をつけた空気を送り込むことによって上気道の閉塞を防ぎ、睡眠中の気道を確保する治療法です。

医療機器の進歩により、手のひらサイズの大きさになっています。

中等症以上の睡眠時無呼吸症候群の患者さんは、この療法が第1選択になっています。

治療効果はとても高く、ほとんどの患者さんでいびき・無呼吸が消失します。

睡眠が分断されることがなくなり、睡眠の質が改善されるので、初めてCPAPをつけて寝た翌朝、「こんなに熟睡したのは何年ぶりだろう」と言う患者さんも珍しくありません。

日中の眠気や居眠りもなくなり、高血圧症などの合併症も改善されます。

CPAP治療を続けた人はそうでない人に比べて、心臓病や脳卒中などが減り、寿命が延びるという研究報告もあります。

また、CPAPは中枢型睡眠時無呼吸症候群にも有効です。

特に慢性心不全でチェーンストークス呼吸を伴う中枢型無呼吸がある場合、CPAP治療によって生命予後が改善されるといわれています。

ただし、在宅酸素療法でも改善することがあるので、どのような治療を選択するかは専門医に相談してください。 (さらに…)

耳鼻科的な処置

耳鼻科的な処置

耳鼻科的な処置が睡眠時無呼吸症候群の治療に有効な場合もあります。

いびきの主な原因が上気道の軟部組織(軟口蓋、扁桃、舌など)にある場合です。

最も代表的なのは、咽頭形成術(UPPP)です。

具体的には、口蓋垂(のどちんこ)が長すぎる場合は短く、扁桃が肥大している場合は切除し、咽頭側壁の膜(口蓋弓)の余分な部分を切除したり縫い合わせたりして咽頭腔を広げます。

この手術による無呼吸の改善率は、約50%で決して高いとは言えません。

また、一度は治ったいびきが再開するケースもあります。 (さらに…)

マウスピース(スリープ・スプリント)

マウスピース(スリープ・スプリント)

軽症~中等症の睡眠時無呼吸症候群では、マウスピースも高い効果を上げています。

マウスピースとは、歯科口腔外科で作る口腔内装具(PMA)で、スリープ・スプリントとも呼ばれます。

マウスピースというとボクサーが使用するようなものを想像しがちですが、治療器具としてのマウスピースは睡眠中のあごの位置を固定する装具です。 (さらに…)

薬

薬による睡眠時無呼吸症候群の治療は、現時点では本質的でないと考えられていますが、補助的療法として用いられて効果を上げるケースもあります。

まず、無呼吸・低呼吸に対して呼吸を刺激するアセタゾラミドが、睡眠時無呼吸症候群の治療薬として保険適用にもなっています。

しかし、血液を酸性にして呼吸を刺激するものであり、手足のしびれが起きたり活動時に呼吸が荒くなったりする副作用があることから、ほとんど使用されていません。 (さらに…)

家庭でできる治療法

家庭でできる療法

いびきを治すために家庭でもできることといえば、まず体重を減らすことです。

CPAPの治療を受けている人でも肥満がある程度改善すれば、CPAPを「卒業」することができます。

また、睡眠時無呼吸症候群だけでなくメタボリックシンドロームや様々な生活習慣病の改善にも効果があるはずです。

治療法というわけではありませんが、寝る姿勢も大切です。

横向きに寝るだけでいびき改善に大きな効果があります。 (さらに…)

子どものいびきは要注意

子どものいびきは要注意

子どものいびきは警告音

子どものいびきは、ある意味大人より深刻です。

そもそも健康な子どもはいびきをかかないもの。

ですから、お子さんがいびきをかいていたら「息が苦しい」「酸素が足りない」という警告なのです。

原因

子どものいびきは大抵、扁桃とアデノイドの肥大が原因です。

扁桃もアデノイドもリンパ組織の1つで、体を病原体から守っています。

3~6歳くらいの子どもの場合、これらが大きいのはごく自然なことですが、大きくなりすぎて上気道を塞ぐようになると問題です。

子どもは元々上気道が狭いので呼吸が苦しくなり、睡眠中はいびきや無呼吸がみられるようになります。

また、もう少し年齢が高くなると、アレルギー性鼻炎による鼻づまりや小児肥満が原因に加わるケースもあります。 (さらに…)