いびきの治療と原因

もっと早く睡眠時無呼吸症候群を治療しておけば、心筋梗塞・脳梗塞にはならなかった、あるいはなるのをもっと遅らせたでしょう。

2つのタイプ

2つのタイプ

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睡眠時無呼吸症候群は文字通り、睡眠時の無呼吸が原因で様々な症状や異常が起こる病気です。

無呼吸とは「呼吸による鼻または口での気流が10秒以上停止した状態」を指しますが、ひとくちに「無呼吸」といっても、呼吸努力はしているが気道が塞がる「閉塞型」と、本当に呼吸が停止する「中枢型」があり、睡眠時無呼吸症候群も大きくこの2つのタイプに分類されています。

閉塞型睡眠時無呼吸症候群(OSAS)

閉塞型(Obstructive)の頭文字をとってOSASとも呼ばれます。

電車や車の居眠り事故で話題にのぼるのはこのタイプで、肥満している中高年の男性に多く見られます。

呼吸の努力はしているのに、上気道(のどから上の部分)が塞がっているため無呼吸になるのが原因です。

中枢型睡眠時無呼吸症候群(CSAS)

中枢型(Central)の頭文字をとってCSASとも呼ばれます。

神経疾患、または心不全の患者さんの一部に見られます。

呼吸をコントロールしている脳の呼吸中枢からの指令が止まってしまうのが原因です。

呼吸そのものが停止するので、胸部や腹部の動きも見られません。

閉塞型睡眠時無呼吸症候群の定義

現在の定義としては、シカゴ基準と呼ばれるアメリカ睡眠医学会による診断基準が分かりやすいと思われます。

Cに加え、AまたはBがあること

A.日中の傾眠(居眠りしやすいこと)があるB.下記のうち、2つ以上が当てはまる・睡眠中に息苦しくなり覚醒する・睡眠中に頻回に覚醒する

・起床時に眠れた感じがしない

・昼間、体がだるい

・集中力が低下している

C.睡眠検査にて、1時間に5回以上の無呼吸がある

※AとBの自覚症状は、他の理由で説明できないことが条件

※Cは無呼吸のほかに、低呼吸やそれらに伴う呼吸努力関連覚醒も含む

(低呼吸は、吸気が確認されないわけではないが、1回の換気量が50%以下)

日中の眠気の重要

診断には「無呼吸」だけでは不十分で、自覚症状の存在が必要です。

言い換えると、無呼吸が頻繁に起きていても、日中の傾眠などがなければ閉塞型睡眠時無呼吸症候群とは診断されません。

傾眠がない場合は単に睡眠呼吸障害と診断されます。

このほかに、無呼吸はなくても激しいいびきで同様の症状を示すことがあり、これを上気道抵抗症候群と呼びます。

激しいいびきは狭い上気道での気流を確保するために、大変な呼吸努力をしていることを意味します。

結果、何度も脳が起こされてしまい、睡眠が分断されて良質な睡眠が得られず、昼間に眠くなってしまうのです。

いわば閉塞型睡眠時無呼吸症候群の仲間というわけです。

低呼吸と呼吸努力関連覚醒

睡眠時無呼吸症候群は、「睡眠時無呼吸低呼吸症候群」と書かれていることもあります。

または、頭文字を取ってSAHS(Sleep apnea-hypopnea syndrome)と表記されることもあります。

低呼吸は「1回の換気量が基準値の50%以下」をいい、口および鼻での気流(呼吸)が完全には止まっていないものの、無呼吸同様に問題があると考えられています。

また、低呼吸の定義として、換気量の低下だけでなく、酸素飽和度の低下も条件にすることがあります。

動脈の血液中の酸素量(酸素飽和度)が低下は、体の酸欠状態を意味します。

すると脳は「これはやばい!」と呼吸復活のためにもっと呼吸しろという指示を出します。

無呼吸には必ずこうした呼吸努力覚醒が伴いますが、低呼吸の場合は呼吸努力覚醒が伴わない場合があります。

居眠りがなくても危険なケースがある

無呼吸があっても居眠りなどが見られなければ「閉塞型睡眠時無呼吸症候群」とは診断されませんが、たとえ日中の傾眠などの自覚症状がなくても無呼吸の回数が多い場合は、将来心臓病・脳梗塞などにかかる率が高くなることが分かってきました。

そこで睡眠呼吸障害の国際分類(ICSD)は、閉塞型睡眠時無呼吸症候群の診断基準として「睡眠検査によって、1時間に15回以上の無呼吸、低呼吸、呼吸努力関連覚醒がある場合」も追加するよう提唱しています。


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