いびきの治療と原因

もっと早く睡眠時無呼吸症候群を治療しておけば、心筋梗塞・脳梗塞にはならなかった、あるいはなるのをもっと遅らせたでしょう。

CPAP療法

CPAP療法

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高い治療効果

減量療法は誰でもすぐにできる方法ですが、決して簡単ではありません。

体重を減らせる人は限られ、効果が出てくるまで時間もかかります。

そこで、減量と並行して勧められるのが、睡眠時無呼吸症候群に最も有効といわれているCPAP療法です。

CPAP(シーパップ:Continuous Positive Airway Pressure)は正式には「持続性陽圧換気療法」といい、眠る時に鼻マスクをつけ、そこに圧をつけた空気を送り込むことによって上気道の閉塞を防ぎ、睡眠中の気道を確保する治療法です。

医療機器の進歩により、手のひらサイズの大きさになっています。

中等症以上の睡眠時無呼吸症候群の患者さんは、この療法が第1選択になっています。

治療効果はとても高く、ほとんどの患者さんでいびき・無呼吸が消失します。

睡眠が分断されることがなくなり、睡眠の質が改善されるので、初めてCPAPをつけて寝た翌朝、「こんなに熟睡したのは何年ぶりだろう」と言う患者さんも珍しくありません。

日中の眠気や居眠りもなくなり、高血圧症などの合併症も改善されます。

CPAP治療を続けた人はそうでない人に比べて、心臓病や脳卒中などが減り、寿命が延びるという研究報告もあります。

また、CPAPは中枢型睡眠時無呼吸症候群にも有効です。

特に慢性心不全でチェーンストークス呼吸を伴う中枢型無呼吸がある場合、CPAP治療によって生命予後が改善されるといわれています。

ただし、在宅酸素療法でも改善することがあるので、どのような治療を選択するかは専門医に相談してください。

AHI20以上で保険適用

CPAPは、鼻につけるマスクと空気を送り込む装置、それらを繋ぐチューブからなります。

装置から送り込む空気の圧力は患者さんの病状によって異なるので、適正圧の設定(タイトレーション)が重要です。

最近は内蔵コンピュータにより圧力を自動的に設定するタイプもあります。

CPAP導入の一応の基準は、AHIが20以上で日中の眠気があり、脳・心血管障害、高血圧症がある場合です。

厚生労働省が以下の基準を満たしていれば、健康保険がききます。

装着状況の確認や経過を観察するために、月に1回の来院が必要です。

再診料は自己負担3割の場合、1ヶ月4500円程度です。

副作用

副作用というほどのものはありません。

ただ、せっかく鼻マスクをしているのに口を開けて寝ていると、空気が鼻から口に抜けてしまい、鼻やのどが痛くなることがあります。

口を開くのを防ぐマウステープやチンストラップをつけるか、(空気の乾燥する冬は)加湿器を併用するのもいいでしょう。

また、マスクをきちんと装着していないと空気が漏れ、治療効果がなくなってしまいます。

その場合は別のタイプのマスクに交換するなどした方がよいでしょう。

また、鼻炎などがひどく鼻が詰まっている状態の人は、CPAP治療はかえって苦しく感じます。

まず、耳鼻咽喉科で鼻の治療を行ってからCPAP治療を行うことになります。

問題点

CPAP治療はとても有効な治療法ですが、問題点もあります。

第1にCPAPをつけても睡眠時無呼吸症候群そのものが治るわけではない点です。

CPAPをつけずに寝ると、またいびきをかくことになります。

できれば並行で減量に励み、いつかCPAPを離脱できるようになるのが理想的です。

また、自分の意思で装着したり中止したりすることができるのは便利ですが、反面装着をさぼったり勝手にやめてしまうこともできるため、治療をやめてしまう患者さんも少なくありません。

加えて月に一度の定期検診も、合併症の受診なども兼ねていなければ面倒になる傾向があり、こうしたこともネックになっているのか、治療を継続する患者さんは全体の5~7割程度です。

また、日中の眠気などの自覚症状が乏しいケースや、合併症の改善がすぐに現れないケースでは、治療の継続が難しい問題があります。

CPAP治療の問題点

A.ESS≧11で、眠気の程度がある程度以上の場合
CPAP治療により眠気などの改善が得られる→重症OSAS(AHI≧30)で自覚症状、他覚所見の改善がある時は、CPAPの継続治療が望ましい
B.ESS≦10で眠気の改善が軽度の場合
自覚症状の改善が軽症かもしれない。重症例では高血圧症の改善は得られるが、元来自覚症状が軽度なため、自覚的な改善はないかもしれない。中等症以下では、他覚所見(高血圧症など)の改善は軽度なこともあり。OSASの重症度に関係なくCPAPのコンプライアンスが悪い可能性あり→自覚症状は軽度だが、重症のOSASに対するCPAP治療は、心血管系の合併症の予防という観点からは正論であるが、実際には継続困難なこともある


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