見える化経営

これを見た方には『百見は一行にしかす』の精神でぜひ実行に移していただきたいと思います。可視化経営で先の見えない時代を乗り切りましょう。

『頭の中の可視化』が社員を成長させ、会社を強くする
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  • 顧客の次に見えるようにしなければならないのが、社員の頭の中、すなわち思考内容です。
  • 外からは見えない頭の中をいかに可視化するのでしょうか。
  • 経営学者のドラッカーは「21世紀に向けた挑戦である」と捉えていたようです。
  • 難しいチャレンジですが、そこから逃れるわけにはいきません。どうせ挑戦しないといけないのなら、クリアしたいものです。
  • 見えないものを見るためには、やはりIT日報が力を発揮します。
  • 考えていることを書き、そのことが蓄積され、他社と共有できるIT日報は、見えないはずの頭の中を少しずつ見えるようにしてくれるのです。

『頭の中の可視化』が社員を成長させ、会社を強くする

工場から人の頭の中へ。付加価値の源泉

工場の『視える化』を進めたトヨタ

日本を代表する自動車メーカーであるトヨタは、付加価値の源泉である工場の『視える化』を進め、日々改善を繰り返しました。

付加価値を生む効率を上げ、生産性を高めていくためには、実態が見えなければならなかったからです。

自動車産業だけでなく、産業革命以後、機械を所有する企業が付加価値の源泉を掘ってきました。

一般の労働者は工場はもちろん、機械すら自分で所有することはできず、工場に働きに行き、そこで機械を使わせてもらう仕組みでした。

当時の労働者は、低賃金で長時間重労働をさせられ、資本家から搾取されていたイメージを抱いているかもしれませんが、それは一面的な見方です。

痩せた土地で朝から晩まで農作業したり、手作業で工芸品を作ったりするよりも工場で働く方がお金を稼げ、豊かな暮らしができたのです。

ちょうど今の中国と同じです。

大都市は工業化されていますが、農村地帯では前時代的な生活をしているところがかなりあります。

工場の賃金も世界的に見ると低賃金ですが、農村での生活よりもらえる報酬は大きいのです。

20世紀の付加価値の源泉が工場にあったとすると、21世紀の工場は人間の頭の中にあると言わなければならないでしょう。

頭の中の知識や情報、知恵や創意が付加価値を生み出す源泉となるわけです。 (さらに…)

「行動前に何を考えているか」見えるようにする

PLANとDOの間にSEEを入れる

「頭の中を可視化する」といっても、当たり前ですがCTやMRTは使いません。

頭の中で行われている思考や本人の認識を見たいわけで、そのための道具がIT日報です。

日報は考えたことや推察したことも書き込みます。

書き込むことで考えは目に見えるようになります。

それに対して、上司や先輩などからアドバイスが入ったり、激励が入ったりして、より正しい行動が取れるようになります。

さらにその結果、どうなったかが日報に書き込まれ、それでまた次にどうするかという考えが書き込まれることで、本人の認識や思考内容がよりはっきりしてきます。

こうした流れを『PSDSサイクル』と呼ぶことにします。PLAN(計画)→DO(実行)の前にSEE(見る・観察する)を挟み込んでアクションに移る前に一旦吟味して、実行の精度を上げようというものです。

もちろん、実行した後もそれでどうなったか、次はどうするかを吟味(SEE)します。 (さらに…)

日々蓄積されたナレッジが会社を強くする

ナレッジの蓄積が『生きた業務マニュアル』を作る

上司の知恵を部下に転移させるアドバイスなどがIT日報上で行われることによって、日々社内にナレッジが蓄積されることになります。

どういう業務で、どのような状況の時に、どのように考えて、どう準備し、どう動いて、結果どうなったのかという生々しい事例が蓄積されていくわけです。

これが口頭や紙で処理されていたら、その場限りで終わってしまい、会社にナレッジは蓄積されません。

目に見えない各人の頭の中に消えていくだけです。

何でもITというわけではありませんが、口頭や紙だけのやり取りではもったいないのです。

せっかくパソコンも携帯電話もあるのですから、ITでの情報伝達を行っておけばそれがそのまま蓄積・保存され、再利用される『生きた業務マニュアル』になるのです。

その行動に至る思考パターン、思考経緯まで書き込まれた思考マニュアルでもあり、知恵や創意が書き込まれた“ナレッジ集”でもあるのです。 (さらに…)

部門の壁を越えて拡がる相互理解と相互信頼

社内の親睦イベントでは仕事上の相互信頼は生まれない

IT日報によって業務内容だけでなく、それに対する担当者の思考内容まで可視化されると、全社員の相互理解が加速していくことになります。

当然これは部門間の壁を越えます。

業務遂行における相互理解とは、お互いの人となりを理解するだけではなく、その仕事ぶり、仕事の出来不出来、能力、過去の実績を知ることでなければなりません。

例えば、いくつかの拠点に分かれている会社で、全社員が集まる泊まりがけの親睦イベントを開催したとしましょう。

それまで電話で話をしたことはありましたが、直接顔を合わせるのはこれが初めてでした。

イベントでたまたま同室だったことで打ち解け、朝まであれこれ話をしながら飲み続けました。

「いい奴だな」とお互いのことを評価し、「また会おう」と交わしてイベントを終えたとします。

これで社内の親睦は深められたかもしれません。

2人が今後、何か用があって会った時は会話がスムーズに進むでしょう。

また全社イベントがあったら「久しぶりだな」と旧交を温めるかもしれません。

しかし、そうして関係で終わってしまえば、仕事上の相互信頼は生まれないのです。 (さらに…)

社員が自ら進んで仕事を取り組む組織へ

頭の中は監視できず強制もできない

頭の中の工場で難しいのは、生産性を上げたくても監視や強制ができないことです。

ナレッジワーカーがパソコンの前に座って「うーん」と腕を組んでいても、仕事のことを考えているのか、遊びのことを考えているのかは外からは分かりません。

そして、仕事のことを考えるように強制することもできません。

営業担当者も同様です。知恵を出してアプローチするかについては強制できません。

無理矢理電話をかけさせることはできても、アポイントを取るための工夫を強制することはできません。

本人が進んで仕事に取り組むようになるのを待つしかないのです。 (さらに…)