見える化経営

これを見た方には『百見は一行にしかす』の精神でぜひ実行に移していただきたいと思います。可視化経営で先の見えない時代を乗り切りましょう。

現場の情報を吸い上げるモニタリングの仕組み作り
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  • マネジメントの可視化を実現するためには、現場・現実の情報を吸い上げ、可視化する仕組み作りが必要になります。
  • 具体的には、IT日報によるシステム構築とERPなどの基幹系情報システムからのデータを統合する『可視化経営システム』の実現です。
  • これによって、戦略の可視化、マネジメントの可視化、現場の可視化といった3層構造ができあがります。
  • 自社の現在位置をリアルタイムで把握することができれば、より正しい判断をより早く、より効果的に行えます。
  • 経営コクピットの完成です。
  • 墜落しそうになってから慌てるのではなく、順調に飛行している時からちょっとした気象の変化や機械の異常を見つけ出し、影響(範囲)の小さいうちから手を打って正常飛行に立て直す、安全かつ確実な操縦が経営者には求められています。
  • 今後の企業経営には多くの環境変化(悪天候)が予想されますから、いざという時に慌てないよう、しっかり準備しておきましょう。

現場の情報を吸い上げるモニタリングの仕組み作り

日報は現場の変化を日々吸い上げる神経網

現場では常に想定外の事件が起きている

時代の変化が、企業で真っ先に減少として現れてくるのは最前線の現場です。

これまでに経験したことのない、想定外、計画外の事故や不具合、遅延や抜け漏れ、クレームが発生します(逆に想定外のお褒めの言葉をいただいたり、驚くような成功があったりもしますが)。

こうした事件は、本社のスタッフルームや社長室では起きないのです。

現場で大事件が起きればその情報は知らされますが、ほんの些細な、ちょっとした事件の多くは見過ごされがちです。

「わざわざ上に報告するまでのことではない」と判断されてしまうからです。

あらかじめ想定されている情報については、上へ上がったり横へ広がったりするルートが用意されていますし、想定されているクレームはそれが伝えられ、集計され、処理されるルールが決まっています。

想定されている抜けや漏れは、それがチェックされ、原因分析がなされ、対策が打たれる手順が決められています。

良くある案件が発生した時は、「必ず上司に報告せよ」「レポートを提出すること」といった決め事(リスクコントロール)があります。

しかし、想定を外れた、始めたので小言や事件には報告ルートも決まった手順も用意されていません。

というより、誰も考えていません。今起こっている環境変化は非常に大きいものです。

そして、今まで誰も経験していない新しい変化でもあります。

そしてこの変化はより大きな変化へと続いていくことになります。

過去の経験を踏まえ、想定した未来が本当に実現するのかどうかを検証するためには、想定していることだけではなく、想定していない変化も見つけて把握し、次の想定へ盛り込まなければなりません。

そこで、手順や報告ルートが決まっていなくても、承認経路の設定がなくても、現場で何か違和感があったり予期せぬことが起こったりした場合は、それが可視化され、全社に伝わる仕組みが必要なのです。 (さらに…)

現場情報の伝達スピードを上げるには、日報のIT化が欠かせない

紙の日報を使っていた時代の苦労

まだパソコンが1人に1台どころか1家(社)に1台あるかどうかだった時代、現場の担当者が紙の日報を書いて、直属の上司が読み、さらにその上の上司が呼んで、本人に返すという1サイクルで大体3日かかりました。

回覧する人が増えたりすれば、3日が1週間に延びるわけです。

“伝言ゲーム”に比べたら格段の早さですが、今日の日報に対しての上司のコメントが3日~1週間経ってから返ってきても、タイムリーではありません。

マネージャーの自宅にFAXを置いてもらい、部下と日報のやり取りをしてもらったケースもありましたが、すぐ頓挫しました。

確かにサイクルは早くなりましたが、コメントの入った日報と入っていない日報ができて、日報の原本が不明になり保存が難しく、赤ペンで手書きのコメントを入れてもFAXで送ると真っ黒になって何を言いたいのかよく分からなくなってしまったからです。

やがて、インターネットや携帯電話が登場し、パソコンの価格も下がり、中小企業にも普及し始めました。 (さらに…)

モニタリングの仕組みとして日報を育てる

初期のレベルは報告書、連絡書としての日報

紙の日報とIT日報は似て非なるものです。

しかし、同じものだと考える人が少なくなく、紙で活用できなかったことでネガティブなイメージを持つ人もいます。

ここでは『日報を育てる』という考え方を紹介します。

日報は下の表のように4段階で育っていくものであり、これを『日報の成長段階』といいます。

日報の成長過程
(4)情報共通ツール コラボレーション(可視化日報)
↑(3)計画書 事前アドバイス(顧客創造日報)
↑(2)連絡書 双方向コミュニケーション(指導育成日報)
↑(1)報告書 事後報告(行動管理日報)

最初の低い段階が『報告書』段階。 (さらに…)

日報は企業経営の目に見えない実体を写す

会社の風土や企業文化も日報から見えてくる

日報の運用からは、その会社の実体、実像、風土や文化までもが見て取れます。

例えば、IT化しても担当者がなかなか決められて情報を入力してくれない場合、会社の方針や決定が現場まで徹底されていない実情、徹底されていないことを許している組織風土があることが見えてきます。

また、部下の日報に上司がコメントを入れない、部下指導をしないケースもあります。

せっかく担当者が現場の情報を収集してきているのに、それを上の人間が吸い上げようとせず、フィードバックも与えないわけです。

このことによって、その会社には上司が部下の業務プロセスに対して興味関心を持っていない、結果さえ出せばよいと考えている社風が垣間見えてきます。

また、管理職、マネージャーは名ばかりで、実際には全員プレイヤーになっているという組織実態も見えてきます。 (さらに…)

現場の定性情報と定量情報を重ね合わせて実体を浮かび上がらせる

現場の定性情報と定量情報とは

日報だけで全て正確に現場の情報を把握できるわけではありません。

日報で吸い上げるのは現場の細かいアクション情報であったり、ニュアンス情報であったり、定型化が難しい定性情報です。

情報の価値は高いのですが、どうしても担当者の属人的な主観や思い込みなどが反映してしまう限界があります。

そこで、主観が混じってしまうけれど、微妙な変化や数字には表れない先行的な予兆を吸い上げる定性情報と過去の事実を正確に数値で表す定量情報を重ね合わせ、そこに実体(真実)を浮かび上がらせる仕組みが必要になってきます。

例えば、「Aという自社商品の評判が良い」という情報が日報から上がってきたとしましょう。

これだけでAが顧客に喜ばれていると鵜呑みしてはいけません。

必ず定量情報をチェックします。「Aの売上推移はどうなっているのか」と、基幹システムの販売管理データを確認するわけです。

データを確認すると、実際にはあまり売上が伸びていないかもしれません。

そうであれば、担当者がいい加減なことを言っているのか、評判は良いが実利には繋がらない問題があるのか、今はまだ実績が出ていないがこれから売上が伸びてくるのかといった、より深い考察が可能になります。

もし、販売管理データで確認してAの売上が前月比で20%伸び、前年度比の2倍になっていたら「評判が良い」というのがどの程度のことなのか、数字で特定することができます。

逆に、定量情報だけで売上が上がっているから良く、下がっているから悪いとも言い切れません。

データでは売上が伸びていたとしましょう。

実際にデータで現れているわけですから、商品Aは顧客に指示されていると思いたいところですが、日報を見てみると「本当は競合のB目当ての顧客が多いが、Bが売れすぎて品切れになっており、仕方なく代替品としてAが売れている」という情報があったとしたら?

売上が伸びたから喜んでいる場合ではありません。

競合商品が品切れしている間に、Aを改良してBに負けないようにしたいところです。 (さらに…)

日報に都合の悪いことを書く人はいない?

「日報には嘘が多い」「わざわざ都合の悪いことは書かない」と、日報を否定する経営者や管理者がいますが、これは飲酒運転やスピード違反の取締りを自主申告するような発想から来ています。

罰金を払わされる可能性があり、場合によっては逮捕されかねないと分かっているのにわざわざ警察署に出頭してくる人はまずいません。

それと同様に、日報に下手なことを書くと細かいことをチェックされ文句を言われる、何か問題があると長々と説教されるだけで何のメリットもないと考えている社員が、自分にとって都合の悪いことを日報に書いて報告することは、まずあり得ません。 (さらに…)