現場では常に想定外の事件が起きている
時代の変化が、企業で真っ先に減少として現れてくるのは最前線の現場です。
これまでに経験したことのない、想定外、計画外の事故や不具合、遅延や抜け漏れ、クレームが発生します(逆に想定外のお褒めの言葉をいただいたり、驚くような成功があったりもしますが)。
こうした事件は、本社のスタッフルームや社長室では起きないのです。
現場で大事件が起きればその情報は知らされますが、ほんの些細な、ちょっとした事件の多くは見過ごされがちです。
「わざわざ上に報告するまでのことではない」と判断されてしまうからです。
あらかじめ想定されている情報については、上へ上がったり横へ広がったりするルートが用意されていますし、想定されているクレームはそれが伝えられ、集計され、処理されるルールが決まっています。
想定されている抜けや漏れは、それがチェックされ、原因分析がなされ、対策が打たれる手順が決められています。
良くある案件が発生した時は、「必ず上司に報告せよ」「レポートを提出すること」といった決め事(リスクコントロール)があります。
しかし、想定を外れた、始めたので小言や事件には報告ルートも決まった手順も用意されていません。
というより、誰も考えていません。今起こっている環境変化は非常に大きいものです。
そして、今まで誰も経験していない新しい変化でもあります。
そしてこの変化はより大きな変化へと続いていくことになります。
過去の経験を踏まえ、想定した未来が本当に実現するのかどうかを検証するためには、想定していることだけではなく、想定していない変化も見つけて把握し、次の想定へ盛り込まなければなりません。
そこで、手順や報告ルートが決まっていなくても、承認経路の設定がなくても、現場で何か違和感があったり予期せぬことが起こったりした場合は、それが可視化され、全社に伝わる仕組みが必要なのです。 (さらに…)