PDCAの極意

典型的なマネジメント手法をなぜか実践できない人が多いのです。ここでは、その実践できない理由を解説します。

「目的」を現場ならではの視点で考えましょう

「目的」を現場ならではの視点で考えましょう

「目的」を現場ならではの視点で考えましょう

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リーダーが中心となって議論するテーマは…

経営する側でないリーダーからは、企業においての「目的」は「経営陣が示すべきでないか」という声が聞こえてきますが、会社の規模によっては経営陣との距離が遠くて難しい場合もあるでしょうが、経営陣も巻き込んだ形で会社の「目的」を明確化することに取り組んで欲しいのです。

もちろん本来は会社全体で議論すべきことですが、唯一、経営陣との議論だけでは明らかにならないテーマが、「お客さまとの約束」です。

このテーマは、現場のリーダー、あるいは社員の方々を巻き込んで進めていく手法を取っていきます。

●期待を上回る仕事ができていますか…

「お客さまとの約束」は、顧客満足度につながるテーマです。

「顧客満足度の向上」は、多くの会社の企業理念やビジョンなどに盛り込まれているテーマでしょう。

しかし、お題目として掲げていても、では、いったい仕事の面では何をすべきか、実務面まで具体的に落とし込まれていないのが現状です。

また、「満足」という状態の定義が、お客さまの不満に対応しているだけではないでしょうか、「満足」とは、お客さまの期待を超えるからこそ「満足」の状態になるモノです。

しかし、この不満に対応する当然のレベルが、「満足」につながっているなどと思ってしまっているのです。

●会社の利益と深いつながりを持つのが「顧客満足度」です。

「お客さまとの約束」とは、「その約束を果たしていれば会社の利益は上がる」、というイメージにつながるモノでなければなりません。

「お客さまとの約束」が決められれば、「その約束を果たすためにやるべきコト」が鮮明になります。

「約束に直接関係のない業務は、極力効率化するか、場合によってはやめる」こともできる、ということです。

ここで、事例として最も分かりやすいサウスウエスト航空のケースを取り挙げてみます。サウスウエスト航空の「お客さまの約束」は「低価格」「時間を守る」「楽しい空の旅」の3つがあります。

この約束を守っていれば、お客さまの支持が得られるということです。

事実、同社はアメリカの航空会社の中でも高い収益を上げており、2001年の同時多発テロ事件当時、唯一同社だけ利益を計上したのです。

同社は、これらの約束を実現するために、様々な取り組みをしてきました。

(1)「低価格」を実現するために、直販体制の強化、チケットレス、無料サービス(ドリンクなど)の撤廃、利用料金の高いハブ空港を使わない、などが実行されました。

(2)「時間を守る」を実現するために、「10ミニッツターン」という方針を掲げました。航空機が目的の空港に着陸してから離陸するまで、つまり折り返しの準備を10分間で行なうというものです。このために、整備の容易性を考慮して同一機種を活用、乗務員も一斉に機内の清掃業務などを実施しています。

(3)「楽しい空の旅」を実現するために、乗務員の採用にはユーモア度の高い人を採用基準にして、機内のパフォーマンスを工夫する。

などです。

●「お客さまとの約束」は徹底して実現しなければならないのです。

サウスウェスト航空の事例から読み取って欲しいのは、「お客さまとの約束」は決してお題目ではないということです。

「低価格」「時間を守る」「楽しい空の旅」といった言葉自体は、どの航空会社でも掲げる内容とも言えますが、実行の度合いが低ければ、競合との違いを掲げられずに、お題目と捉えられてしまうかも知れません。

しかし、これは「約束」なので、徹底して実現するために取り組めば、競合との明確な差別化の要素まで高めなければならないのです。

その確信を持つことによって「お客さまとの約束」につながる業務を徹底的に強化するとともに、「お客さまとの約束」につながらない業務を極力効率化する、あるいはやめる、といった思い切った決断ができるようになるわけです。

例えば、機内の無料ドリンクサービスなどは、有った方がお客さまは喜ぶかもしれませんが、しかし、それが航空会社を選択する際の大きな要因になるかと言えば、決してそうではないのです。

どの航空会社もやっているから自社もやった方が良い、といった考えで続けていた程度のモノなのでしょう。

ないより有った方が良い、あるいは、他社がやっているから自社もやった方が良い、といったレベルの話なのです。

「お客さまが望んでいる本当の“期待”は何なのか」「競合会社に対して自社が磨き上げる強みは何なのか」このようなテーマを、リーダーが一人で考えるのではなく、メンバーを巻き込んで議論を進めることが大切なのです。

話し合いのプロセスの中から、おぼろげながらも「お客さまとの約束」が目に見えてくるはずです。

ですがそれには、洗練されたものになるまで時間を要するということを認識してください。

話し合いのプロセスを通じて、今までよりも、よりお客さまに意識が向くようになり、仕事を通して何かを発見されるといった、効果を見込んで、一歩ずつ進めていくようなイメージで取り組んでください。


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