PDCAの極意

典型的なマネジメント手法をなぜか実践できない人が多いのです。ここでは、その実践できない理由を解説します。

何が改善を妨げているのかを良く考えましょう

何が改善を妨げているのかを良く考えましょう

何が改善を妨げているのかを良く考えましょう

このエントリーをはてなブックマークに追加

●人を縛る「しがらみ」は…

「しがらみ」には、いくつかの種類があります。

(1)評価制度による「しがらみ」とは

前提として、人は「評価されるように動く」という事実です。

例えば、個々の人の売上げや利益といった実績を評価する仕組みを採用している会社では、高い業績を上げる社員(ハイパフォーマー)が、なかなか業績が上がらない社員(ローパフォーマー)や経験の浅い社員を教育するということが断絶している場合が目立ちます。

本来は、組織全体の業績を最大化しようと考えた場合には、ハイフォーマーの持っているノウハウや知識を共有し、社員全員で実行することが最も早くてベストなはずなのです。

すなわち、「ハイパフォーマーがローパフォーマーに教えることが望ましい」と分かっているにもかかわらず、ハイパフォーマーがローパフォーマーの実績を上げたところで何のメリットがないのであれば、それを行なわないわけです。

一方で、ハイパフォーマーであろうとローパフォーマーであろうが、それほど給与に差が出ない評価制度を採用している会社もあります。

この場合は、「やってもやらなくてもたいして変わらないようであれば、やらない」だと考えられる社員が出てきてしまうのです。

本質的には、評価制度だけでなく、キャリア形成や昇進制度なども関係するわけですが、社員から最も見えやすいのが評価制度なのです。

(2)組織構造による「しがらみ」とは

企業規模にもよりますが、ほとんどの組織は開発、生産、営業、管理、といった機能ごとに成り立っている場合が一般的です。

「タテ割りの弊害」と表現されることもあるように、業績が悪くなってくると、他部門の責任にしてしまいたくなるようです。

開発部門では、「営業がだらしがないから売上げが上がらない」と思っていますが、一方、営業部門は、「開発がもっと良い製品を出してもらわないと、売上げが上がらない」と思っています。

また、生産部門では、「極力在庫を減らして効率化する必要がある」と思っていますが、反対に営業部門では、「もっと在庫を増やして納品のリードタイムで競合他社に対して優位に立ちたい」と思っています。

購買部門は、「仕入れや外注に関してはできる限り安い価格であるべき」と思っていますが、実際に資材などを使用する部門は「安かろう悪かろうではなく、クオリティの高いところに依頼したいと」思っています。

そもそも、組織にはそれぞれの役割があるわけですから、密度の高いコミュニケーションを取ることが大切なのです。

積極的にカベを越えてコミュニケーションを取らなければ、組織構造の「しがらみ」がいつまでも解決されないのです。

(3)習慣による「しがらみ」とは

人は、「自分の仕事のやり方や進め方が悪い」と分かっていながら続けていく人はいません。

しかも、仕事のやり方や進め方というのは、社員が考え出したものというよりも、その会社が以前からやっていることを、マニュアル化などしながら引き続いている場合がほとんどです。

ですから、習慣化した仕事のやり方が良くないなどとは思いもよらないわけです。

そのやり方を導入する時は、「こうあるべき」と考えでつくられたルールやマニュアルの、経済環境や組織の拡大や縮小といった変化に応じて、変更していかなければならない部分が多く出てきます。

意思決定をする際のルール、方針や方策を伝達する際のルール、会社として蓄積すべき情報、部門や担当者の役割分担、仕入れ先の評価、給与・評価制度など、あらゆる業務が見直しの対象になるわけです。

にもかかわらず、多くの現場担当者は、「これはルールだから変えられない」「このマニュアルに則って進めなければならない」、とこれまでの習慣にとらわれてしまうのです。

すなわち、「本来どうあるべきか」といったことを考えることすらしなくなってしまうということです。

マニュアルのようなものを作成することは、組織にとって非常に有益である一方で、社員の「自ら考える」力を奪ってしまうことにもなるのです。

(4)考え方による「しがらみ」とは

ビジネスの社会で、良く耳にするコメントに「ウチの業界は特別だから」というのがあります。

しかし、「どんな業界が特別」なのでしょう。

良く考えてみてください、ビジネスである以上「特別な業界などない」のです。

また、最近の「ゆとり世代」と括った世代に対して、「何を考えているのかわからない」「精神的に弱く、粘りがない」といったことが様々のシーンで聞かれます。

しかし、この世代の全員がそのようなイメージを持っているとは限らないのです。

このような考え方は「しがらみ」による思い込みの一種です。

「だから難しい」「だからできな」と、本当に因果関係など成立しないのに、あたかも成立してしまうような錯覚を起こしてしまい、改善のスタートにすら立てなくなってしまっています。

これらの「しがらみ」については、多くの人がそれに囚われていることにすら気づいていない、あるいは気づいていても諦めてしまっているのです。

ですから、まず、自ら気付くこと、そして、改善すべきことを洗い出すこと、を意識してください。


« »

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です