PDCAの極意

典型的なマネジメント手法をなぜか実践できない人が多いのです。ここでは、その実践できない理由を解説します。

成果に直結するには正しいKPIを設定しましょう

成果に直結するには正しいKPIを設定しましょう

成果に直結するには正しいKPIを設定しましょう

このエントリーをはてなブックマークに追加

●KPIには、数値設定が不可欠です。

先の事例から、KPIの必要性について分かっていただいたと思います。

しかしながら、多くの企業での実態は、正しいKPIを設定できていないのです。

なので、何のためにそのKPIを行なっているのかがわからなくなってしまっています。

例えば、新規顧客の開拓を強化するために、「新規訪問件数を1日5件以上」といった目標をKPIとしているような場合が見られます。

これは、業界全体が成長市場であれば悪くはないのですが、成熟市場や衰退市場では訪問数と成果が必ず比例するわけではありません。

なぜなら、自社にとっては新規であっても、すでに競合他社の既存顧客である場合が高いため、挨拶程度の訪問を繰り返したところで、競合他社から奪い取るほどの信頼を獲得するのは難しいからです。

成果へつながりが見えないKPIはほとんど意味がありません、むしろ逆効果です。

それは、社員が成果の出ないことでモチベーションの低下を招いてしまうからです。

そもそもKPIを設定すれば、その数字を追い掛けて管理する必要が生まれます。

数字としてアウトプットしなければならないということは、インプットが必要になります。

それを、システムの導入や変更で追い掛けることも可能ですが、多くの場合、現場の社員が入力作業しないことには、KPIはアウトプットできません。

すなわち、現場に相応の負担が掛かるということになるのです。

●自社のビジネスの押さえどころを押さえます。

ですから、成果につながるロジックを考え抜いたKPIが必要なのです。

ロジックが明確なKPIであれば、成果の出ない場合の原因追究(評価)をスピーディーに行なうことができるわけです。

例えば、売上げを成果としてとらえた場合、まず売上げを上げるロジックを考えます。

前にも出てきたように、客数を増やさなければならないのであれば、当然「客数」がKPIということになります。

客数を増やすために、どのような方策を展開すれば良いでしょうか。

マクドナルドのようなファーストフード業界であれば「1日当たりのレジ通過客数を最大化する」といったKPIも有効でしょう。

そのためには、ランチタイムのピーク時にどれだけの客数に対応できるかがポイントとなり、「注文から商品提供までを1分間で行なう」といったKPIも出てきます。

1分間で提供できれば、1レジあたりピーク時に1時間で60組まで伸ばすことができますが、提供時間が30秒遅くなれば1時間で40組になってしまうわけですから、1分間というKPIはインパクトが大きいと言えます。

あるいはアパレルのような、顧客への説明が必要な商品の多い業態では、「販売員1人当たりの接客件数」がKPIとして考えられます。

販売員ごとに、接客数が多い・少ない、売上げが高い・低い、といった属性に分けられるはずなので、それを分析することで、売上げを上げるために有効な方策が出せるようになるはずです。

ここに全てのビジネスを網羅することはできませんが、どのようなビジネスであってもどこが押さえどころなのか、という視点が重要なのです。

どのような客に対して、何を評価してもらうことが必要なのか。

その客を最大限に増やしていくために、自社が認識すべき戦略はどの部分なのか。

これらを明らかにするために、「事実を正しく認識すること」が必要であり、「それをどう理解するべきか」を考え抜く必要があるのです。

●KPIの数値を上げることが業績アップにつながることになるのです。

会社として出したい成果は、どのような部署であろうとも大きく変わることはありません。

それは売上げであり、利益であるのです。

例えば、直接顧客と接することがない企画系部門だとしても、売上げに直結する営業や販売と連携するのであれば、「どれだけ営業や販売の側面支援ができたのか」が、KPIのポイントです。

「企画ごとに平常時よりもどれだけ客数を伸ばせたか」といったことをKPIに設定できるでしょう。

また、企画立案数や採用数などを、企画系部門のメンバーで競争することも重要です。

企画部門でよく見られる光景が、過去の企画を参考にしながら同じような企画を実施する場合や、企画の骨子部分から外注業者に丸投げするような場合ですが、これらはKPI以前の問題で部門の存在意義すら問われるところです。

営業や販売のサポートを行なっている業務系の部門であれば、営業マンや販売員が意識しているKPIを同じレベルで意識しながら、サポートすることが重要です。

例えば、前に述べた専門商社のKPI事例として、注力顧客に対する面談時間がありましたが、それを増やすためには、注力顧客に入らない顧客に対する活動を効率化しなければなりません。

業務系部門がこれらの顧客に対して、電話やメールなどを活用しながら定期的な連絡を取ることで取引が維持できれば、営業はおおいに助かるのではないでしょうか。

そして業務部門では、連絡件数、あるいはフォローするターゲットに対する連絡実施率をKPIとして設定し、それを最優先にしながらも、伝票処理のような社内業務を効率化すべく、処理件数をKPIに設定する、といった工夫ができるはずです。

どんな部門であろうとも、自社のビジネスの特性上、重要となるKPIの数値が上がるようにするためには、どのような役割を果たすべきなのかという視点で考える必要があります。

KPIを上げたにもかかわらず、自社の業績は下がっているような状況では、そもそも、それはKPIと呼べませんし、モチベーションも上がりません。

設定しようとするKPIが他の部門から見ても評価できるものなのか、コミュニケーションを取りながら決定することも重要ではないでしょうか。


« »

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です