究極の相続税対策

“大増税時代”に備え、賢く節税しながら、残された家族が困ったり争ったりしないよう「相続対策をすること」は、今後は必須となることでしょう。

評価・申告の時にできる節税策
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評価・申告の時にできる節税策

相続はチャンス。財産を残せる形に組み替える

相続はチャンス。財産を残せる形に組み替える

節税対策に意識を向ける

「相続になったら莫大な相続税がかかる」「3代もすれば財産がなくなる」というのが、一般的な相続のイメージでしょう。

実際に、代々の土地を持っている資産家は「従来どおり土地を守る」という考えの形が多く、相続になれば、土地の一部を売って納税するという傾向があるため、時代とともに財産を減らしてきましたが、そもそも莫大な財産を払わなければならないというのは、生前にきちんと対策を取っていなかったことの表れといえます。

納税の負担を教訓として、節税対策の必要性を痛感せざるを得ないでしょう。 (さらに…)

CASE6 建売用地として貸地を売却し、時価申告

建売用地として貸地を売却し、時価申告

経緯

Mさんの父親は祖父から受け継いだ土地で不動産賃貸業をしていました。

しかし、自宅と隣接するアパートと駐車場以外は貸地で、土地全体の7割を占めています。

300坪ほどの土地に15軒の家が建っており、分筆もしておらず、利用区分も明確になっていないところもあります。

祖父の代より貸しているため地代も安く、固定資産税を払うのに苦慮しているような状態で、相続税を払う余力はとてもありません。

父親が亡くなり、相続税の申告が必要になりますが、まとまった預金がないため、貸地を売却して納税資金を捻出するしかないと家族で話をしています。 (さらに…)

CASE5 1000平方m以上の土地3ヶ所を広大地評価

1000平方m以上の土地3ヶ所を広大地評価

経緯

S家は代々の資産家で、父親は幅広く事業を展開していました。

子どもたちのうち、長男と次男が父親の会社に入り、数年前に法人を継承しています。

父親の相続に際し、財産の大部分は不動産で、現金は会社に貸し付けているため、納税できる現金が残っていないことが大きな不安材料です。

土地はほとんど活用しており、売却できないという事情もあります。

節税対策として賃貸住宅を建ててきましたが、それでもまだ相続税がかかりそうです。 (さらに…)

CASE4 駐車場を広大地評価し、売却で納税

駐車場を広大地評価し、売却で納税

経緯

K藤さんの両親は、自宅で食品問屋を営んでいました。

K藤さん(長男)も学校を卒業後、店を手伝っていました。弟(次男)は会社員として独立しましたので、K藤さんが父親(被相続人)の商売を引き継ぐことで家族の合意はできていました。

店が繁盛し、金銭的余裕ができると、父親は自宅近くの不動産を購入し、駐車場やアパートを建てるようになりました。

結果、自宅の他に4ヶ所の不動産があります。

母親が先に亡くなっているため、配偶者の税額軽減の特例は使えませんし、納税できるだけの現金はありません。

納税資金は土地を売って捻出するつもりですが、できるだけ節税したいと思っています。 (さらに…)

CASE3 母親は相続せず、土地の評価で税負担を軽減

母親は相続せず、土地の評価で税負担を軽減

経緯

Iさんの父親(被相続人)は農家の長男として、農業を継続していました。

周辺は宅地化が進み、住宅が建ち並んでいますが、先祖代々の農地を守るというのが父親の信条で、貸家やアパート経営もしていますが、土地を売ったお金で建てており、頑固な父親は、それ以上は節税対策をしようとはしませんでした。

負債はありませんが、いざ相続になった時、莫大な相続税がかかるのではと不安があります。

母親は祖父と養子縁組をし、祖父が亡くなった時に土地を相続しています。

父親の相続では配偶者の税額軽減を使えば母親が無税になることは知っていますが、母親の財産が大きいため、多くの財産を母親が相続すると次の相続が大変になるのではと、子どもたちは思っています。

長男として、Iさんは農業を継続して土地を守りたいと思っていますが、姉にも財産を分けたいと考えており、できるだけ節税したいと希望しています。 (さらに…)

CASE2 農地を広大地評価して脳背額を減らす

農地を広大地評価して脳背額を減らす

経緯

S木さんの父親は祖父から相続した土地で農業と貸家業を営んでいました。

長女のS木さんは他県に嫁いで生活しており、長男(S木さんの弟)も仕事の関係で全国各地に転勤を繰り返しています。

両親は2人暮らしで、農業も2人だけでやっていました。相続はまだ先のことと思っていた矢先、父親が急に亡くなってしまいました。

母親1人では農業を続けることはできず、2人の子どもも手助けできそうにありません。

財産の大部分は土地であり、相続税がかかるとしても納税できる現金が少ない状況です。

農地は生産緑地にしてきましたが、農業を継ぐものがおらず、農地の納税猶予を受けるための営農用件も満たせそうにありません。 (さらに…)

CASE1 駐車場を広大地にして評価を下げた

駐車場を広大地にして評価を下げた

経緯

Nさんの父親は、建築資材の販売会社を経営していました。

建築業界の景気が悪化し、経営が厳しくなってきたので父親は会社を整理し、貸駐車場にしました。

土地は400坪あり、駅や公共施設にも近かったので、周辺には商店や会社が集まっています。

そこで、月極ではなく時間単位で貸す駐車場にすることにしました。

結果、順調な経営ができていました。バブルの頃から建築会社の営業マンが頻繁にマンションの建築を勧めてきましたが、父親は節税宅策には理解を示してきませんでした。

父親が亡くなった時、負債はないものの財産の大部分は不動産で、現金は多くありません。相当な相続税になると覚悟はしていますが、駐車場の収入が母親の生活費になるため、できるだけ土地を減らしたくないのが希望です。 (さらに…)

申告期限までに売却して「時価申告」

申告期限までに売却して「時価申告」

路線価と倍愛価額の差が評価減となる

相続では、財産の価値は被相続人が亡くなった日の時価によるとされています。

従って、それぞれの財産は定められた評価方式によって時価を計算し、相続財産の評価とします。

しかし、不動産は個々に特殊な事情や様々な形状があります。

評価した金額で売買されるかというと、そうとは言い切れません

。例えば、相続税の申告までに土地を売却した場合、路線価評価や不動産鑑定評価よりも低い価額でしか売れないこともあり得ます。

そうした場合は、土地の売買契約書を添付することで、売買価額が「時価」となり、相続税評価額として申告できます。

結果的に路線価と売買価額の差額が評価減となって相続税も下がります。 (さらに…)

鑑定評価で市場価値に見合った評価額を出す

鑑定評価で市場価値に見合った評価額を出す

不動産の鑑定評価を時価とすることができる

不動産の鑑定評価とは、不動産鑑定士が不動産の経済価値を判定し、その結果を価額に表示することです。

路線価方式や倍率方式は、国税当局が時価を求めやすいように定めた財産評価基本通達に基づくものに過ぎず、個々の土地の実情を反映したものがありません。

そこで通常の評価ではなく、不動産鑑定士による鑑定評価を行い、その結果を相続税評価額として申告して受け付けてもらうことができます。

ただし、必ずしも認められるわけではなく、税務署の判断により鑑定評価が否認されることもあるため、リスクを伴います。 (さらに…)

広大地評価が使える土地は積極的に評価減を狙う

広大地評価が使える土地は積極的に評価減を狙う

一定以上広い土地は評価が下がる

その地域の標準的な土地に比べて著しく広い土地=広大地は、都市計画法の開発行為を行う場合、道路や公園などの公共公益的施設の費用負担が必要になります。

ただし、大規模工場用地に該当する土地や中高層マンションの用地になる土地には適用できません。

広大地に該当する土地の評価は、通常の路線価に広大地補正率を掛けて算出します。

広大地補正率の求め方は、【0.6-(0.05×広大地の面積÷1000平方m)=広大地補正率】となります。

なお、一般に広大地の面積は、大都市圏で500平方m以上、地方圏で1000平方m以上、調整区域で3000平方m以上とされています。

ただし、面積が基準を超えている場合であっても、全ての土地を広大地として評価できるわけではありません。

  1. 既に開発を終えたマンションやビルなどの敷地(マンション適地)
  2. 現に宅地として有効利用されている建築物等の敷地(大規模店舗、ファミリーレストランなど)
  3. 原則として容積率300%以上の地域に含まれる土地
  4. 公共公益的施設の負担がほとんど生じないと認められる土地(二方、三方道路の土地など)

(さらに…)

異なる区分の土地がある時は限度面積を考える

異なる区分の土地がある時は限度面積を考える

最も節税効果の高い組み合わせを

小規模宅地等の特例が受けられる「特定事業用宅地等」「特定居住用宅地等」「特定同族会社事業用宅地等」および「貸付事業用宅地等」のうち、複数の区分がある時は、節税額が大きくなるような組み合わせをすることができます。

まず、次の計算式を満たす面積が、それぞれの宅地等の「限度面積」になります。

【A+(B×5/3)+(C×2)≦400】

A:「特定事業用宅地等」と「特定同族会社事業用宅地等」の合計面積

B:「特定居住用宅地等」の合計面積

C:「貸付事業用宅地等」の合計面積

1ヶ所だけでなく、複数の土地を合わせた「限度面積」まで減額ができようできます。 (さらに…)

特定事業用宅地等、貸付事業等宅地等に該当する場合

特定事業用宅地等、貸付事業等宅地等に該当する場合

特定事業用宅地等は減額の対象

特定事業用宅地等は、400平方mまでの部分について評価額が80%減額されます。

(1)特定事業用宅地等:被相続人が事業を営んでいた宅地等を親族が取得する場合、次のような条件をクリアしなければなりません。

●その宅地等で営んでいた事業を相続税の申告期限までに承継し、営んでいること。

●その宅地等を相続税の申告期限までに有していること。

●被相続人と生計を共にしていた被相続人の親族が営んでいる事業を、その親族が相続開始の直前から相続税の申告期限まで営んでいること。

(2)特定同族会社事業用宅地等:特定同族会社事業用宅地等とは、不動産貸付業以外の法人事業に使われていた土地で、一定の要件に該当する親族が所得したものです。

●法人の用件:相続開始の直前に、被相続人および被相続人の親族等がその法人の発行済み株式の総数または出資総額の50%超を有している法人(相続の申告期限において清算中の法人を除く)。

●取得者の用件:相続税の申告期限においてその法人の役員であること、その宅地等を相続税の申告期限まで有していること。 (さらに…)

居住形態によって適用の仕方に違いが

居住形態によって適用の仕方に違いが

同居と認められれば特例が適用される

居住用の小規模宅地等の特例の適用には、同居かそうでないかの判断が必要になります。二世帯住宅等、様々な居住形態がありますが、同居が認められないと特例が適用されないことになります。

(1)二世帯住宅の場合:

(1)内階段等の場合(構造上区分なし)

●配偶者が相続した場合→240平方mが適用対象。申告期限前に売却を含め、住まなくなっても適用があります(子どもが親を引き取る可能性があるので)。

●子が相続した場合→240平方mが適用対象。相続税の申告期限まで継続して所有・居住していることが条件。 (さらに…)

特定の居住用宅地等に関する特例の条件を知る

特定の居住用宅地等に関する特例の条件を知る

減額の対象となる相続人を知っておく

相続開始の直前に被相続人が済んでいた宅地等で、一定の要件に該当する被相続人の親族が相続または遺贈により取得したものについては、240平方mまでの部分について評価額が80%減額されます。

この特例は、次のうちいずれかに該当する必要があります。

(1)被相続人が居住していた宅地等を配偶者が取得した場合。

(2)被相続人の同居親族が、申告期限まで被相続人が居住していた宅地等を所有し、その建物に居住している場合。

(3)相続開始直前に配偶者や同居親族がいない場合で、相続開始前3年以内に自分または自分の配偶者が所有する建物に居住したことがないものが、被相続人の居住していた宅地等を取得し、申告期限までその宅地等を所有し続けている場合。

(4)被相続人の宅地等で、被相続人と生計を共にする親族が居住していたものを、配偶者が取得した場合。

(5)被相続人の宅地等で、被相続人と生計を共にする親族が居住していたものを、居住継続親族が申告期限までその宅地等を所有し続け、居住している場合。 つまり、被相続人の自宅については、配偶者もしくは同居親族か、持ち家を所有していない子が相続しなければ特例は適用されません。 (さらに…)

小規模宅地等の特例を適用すると節税できる

小規模宅地等の特例を適用すると節税できる

居住用、事業用の土地には減税の特典がある

被相続人が事業や居住のために使っていた土地は、相続人にとって生活基盤財産であり、納税のために簡単に手放すことができない事情があります。

そこで、相続した土地のうち、居住用は240平方m、事業用は400平方mまでに対し、一定の割合で土地評価額を減額できる制度があり、これを「小規模宅地等の特例」といいます。

この特例の対象区分は、「特定事業用宅地等」「特定居住用宅地等」「特定同族会社事業用宅地等」および「貸付事業用宅地等」のいずれかに該当する宅地等となっています。

(1)80%の減額適用:特定事業用地に該当する場合は、親の事業を子が引き継ぐこと等が要件となり、居住用の土地は相続後も継続して相続人が居住する等が要件となる。

(2)50%の減額適用:賃貸事業用の宅地は200平方mまでの土地を相続後も継続して貸付事業を行うことが要件となる。 (さらに…)

道路計画、区画整理中の土地は減額できる

道路計画、区画整理中の土地は減額できる

都市計画道路予定地を含む土地の評価

都市計画道路予定地のある土地は、告知されてから都市計画が事業認可されるまで、2階建て以下の簡易建物しか建築できなくなります。

つまり、土地の利用価値が下がってしまうため評価減の対象となります。

評価額の算出にあたっては、都市計画道路予定地の区域内になる部分が、区域外であるものとした場合の価額に、地区区分、容積率、地積割合に追い自手定める補正率を掛けて計算します。

補正率表に従えば、普通商業地区で容積率が300%以上400%未満の指定された土地の場合、土地全体に対する道路予定地の割合が30%未満だと補正率は0.94、つまり6%の減額とされます。

なお、都市計画道路の有無については、市区町村の都市計画にある都市計画図で確認します。

都市計画は、証明額、住宅地図、公図、実測図等の提出によって証明することができます。

計画道路の存在は、相続人でも把握していないことがありますので、市区町村での調査が肝心です。 (さらに…)

様々な事情で評価額が下がることがある

様々な事情で評価額が下がることがある

その他の事情としては、墓地やゴミ焼却場、などが近隣にある場合、土地の路線価評価では現実的な評価を反映していないこともあります。

また、高速道路、電車の線路や踏切に隣接する土地は騒音の問題があります。

これらの点があれば1つの要因につき各10%を減額できるようになっています。

ただし、2点で20%が上限にされています。 (さらに…)

文化遺産が埋蔵されている時は?

文化遺産が埋蔵されている時は?

埋蔵文化財包蔵地は、地下に埋蔵文化財があると確認されている土地のことです。

埋蔵文化財の包蔵地は、市区町村の教育委員会によって指定されています。

土地に文化的な価値を持つものが埋まっていると、本来は掘り出さなければなりません。

そして、その発掘費用は土地の所有者が不願することになっています。 (さらに…)

高圧線下に土地がある場合の評価

高圧線下に土地がある場合の評価

高圧線が通っている場所の下に土地がある場合は、建築条件があることが多いため、その制限内容によって土地の評価減が可能になります。

建築制限内容は、電力会社との契約内容ではなく「電気設備に関する技術基準を定める省令」によって判定されます。

登記関連情報、図面取得の他に、高圧線管理者に問い合わせ、仕様電圧と高圧線までの高さを確認する必要があります。減額の評価方法は次の通りです。 (さらに…)

複数利用の土地は利用単位ごと、取得者ごとに評価

複数利用の土地は利用単位ごと、取得者ごとに評価

土地を用途ごとに評価する時の考え方

相続税においては、土地は区分ごとのまとまりで評価します。

これを「評価単位」といい、地目が同じ場合は地目ごとに評価し、地目が別な場合は利用の単位ごとに評価します。

そのため、必ず現地調査をして登記簿の地目と現地の違いはないか、利用状況はどうなっているかを確認した上で評価するようにします。

地目には、宅地、田、畑、山林、原野、牧場、池沼、鉱泉地、雑種地などがあり、それぞれ別に評価します。

地目ごとの評価は、相続開始時の現況で判断するため、登記棒状の地目とは異なることもあります。

土地は筆ごとに登記されていますが、1筆の土地であっても複数の用途があれば、それぞれ別に評価します。

また、筆が分かれていても同じ用途で利用されていれば、まとめて評価します。 (さらに…)

現地調査によって節税ポイントを探し出す

現地調査によって節税ポイントを探し出す

財産は亡くなった日の時価で評価される

相続税の計算では、財産の評価額は亡くなった日の「時価」と決められています。

財産の現況に応じて、不特定多数の当事者間で自由な取引が行われる場合に成立すると認められる価額を「時価」といいますが、一定のルールにより評価をするので、誰が計算しても同じになると考えられがちですが、実際には様々な要因で評価の違いが生じることになります。 (さらに…)